2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「この文鳥はゲイなんですよ」 わたしは鳥屋の背中越しに文鳥を見つめた。 「どうですか分かりますか」 鳥屋のオヤジのムアっとくる加齢臭が鼻腔を突付いた。 「どの辺がゲイなんですか」 わたしがそう訊ねた途端に鳥屋は振り返りわたしの唇のすぐ脇に吸い付…

自分にはもの凄く夢の島に憧れがあって いつかそこに行ってドラムセットでも組んで ドカスカと革ジャンと裸だけでトリップできれば 最高だ! と念じていたのだがニュースに寄れば夢の島は 所謂例の魅惑的な狂人の首都、ハッテン場なのだそうである 実に不快…

久しぶりに娑婆で楽しいことでもしてウファとか言って 口開けて高層ビルを韮……韮見つけたい……睨み付けたい気分になって 朝の六時五十五分の品川駅に降り立ったのだけども 前の晩にちょっとウォトカを呑みすぎて 露西亜の貴族の娘を潰して骸骨を綺麗にニスで…

ざざぶりの神野さん宅の前の廃墟みたいな 児童公園で変態注意という看板を蹴ったら 手に雷が降って来て煙草に火がついたんだ オムツみたいなジーパンを穿いた若者たち お化けインコみたいな髪型を極めた若者よ 温かい世の中で結構だが動けば動くほどに 歯の…

四十日間付き合っていた女と最後に寝た日を思い出した 彼女は行為が終わると臍に溜まった精液を拭き取りもせず 壊れたレコードや現代音楽家が使うようなノイズのような 危ういノリで三つ年上の兄が近所の野良猫を撲殺した話をした この兄は彼女のことも性的…

明日の壁がコケシ色 蛇とモヤシのぺペロンチーノ 骨肉と動悸 胸苦しい夕刻、思想が吠えてやがる

車のキーをまわす。車が喘ぎ声を出ししばらくしてからパタリと止む。 銚子みたいな風が頬にまとわりつく。自分は雲に小便をかけてみたい。 古い写真をポケットから出す。子持ちの女性が笑って髪結いを指差す。 悪魔的相貌をスクリーンに投影させる。座席に沈…

僕には殺し屋がみえる 給湯室のセメダインが あるいは沸騰している 君は話をする穴のよう ああ平成のセクハラ節 割れたロイド眼鏡四隅 ああ白い犬に紅い歯茎 ニッキ飴を舐めながら 唄うは新富浦ブルース 忌々しい声で鳴き咽ぶ 去勢されたはずの猫柱 三鷹マル…