2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

同胞温泉芸妓、浮かぶマーガリン、集る蛾

此の世は殺戮の時代。老いも若きも愛に飢えておろう。 背広を新調した帰りにエジソンみたいな神妙な顔つきで町の隅の死体安置所みたいにしんみりした酒場でジントニックを立て続けに三杯飲んでから時計を見れば時間は五倍に進んでいるようだった。先生、と呼…

ゴースト/ホーセス

日に継ぐ日。 豪雨。善頭神社。指輪をした女月極。おどけてみせた春闇。ジョナサンのメニューに正しく食い入るような凝視を与える。深い夜。闇が闇と握手して雨にしっとり濡れているのを三毛猫が向こうから見ている。シャッターチャンスは永遠に訪れない。引…

猿狗

さらさらの精液が あの娘の白い腹の上を 流れていき臍の中に沈む 人生は切なくはない 遣る瀬無くも無い スジャータを入れた 温かい飲み物を胃に入れて 新聞配達員が水晶に映える ブラックボックスに 閉じ込められた彼女の嬌声 ピントが外れた会話だけが 横た…

破片と夢野絆創膏数珠繋ぎ

屑。社会の屑。社会の模範。模範の屑。つまりそういうこと。君は車。とても燃費の悪い、でもとても形の素敵な、美しいエンジン音をさせる、そういう車みたい。唸りを念仏と呼べば。 お元気ですか。僕はあまり元気ではありません。あり得ません。以前は無かっ…

爆裂ギター女工哀史

電話にでたら女はさめざめと泣いていた。無神経な人間だ。失敬にもほどがある。僕はその日、朝から酒浸りで呂律がまわらない。脳が酒毒に犯されていたわけだ。そして美少年論を頭の中で構築していた最中だったわけだが、そんな良い雰囲気をぶち壊してきみは…

門外、時雨鳴き、小便臭、転向の美学

巨大な幹線道路が交差する十字路の焼き肉屋の向かいにあるパブの外。名前を知らない白い花が咲いているのです。わたしはそれをじっくり見ています。その花は少し歳をとった女の耳の裏のような芳香を漂わせている。散歩を好きな人種には良い季節。春霞みする…

※※※の連中は今週も元気だ。結構結構。

前の彼女、と断言していいのか分からない彼女の家の家族からなぜか慕われていて、兄、お父さん、お母さん、お爺さん、と一緒に、前の彼女抜きで庭でのバーベキューをする羽目になってしまい恐縮せずにバッカバカ食べてぐいぐい飲んできた。お母さんは並とい…